糸リフト

糸リフトについて

糸リフトとは、糸を皮下組織に挿入することで、たるんだ組織と皮膚を持ち上げることでリフトアップ効果を得る施術です。

当院で使用している糸リフトは全て溶ける糸を使用しています。素材は、PCL(Polycaprolactone)・PLLA(Poly-L-lactic acid)・PDO(Polydioxanone)の3種類です。

PCLとはPolycaprolactoneの略で、手術の糸として使用されています。

PCLを使ったリフトは、柔らかく、しなやかでデザイン性に優れているのが特徴です。また、肌に馴染みやすく皮膚の薄い方でも飛び出にくいところが利点です。

糸自体は柔らかいので、引き上げ力に欠けてしまうところが欠点です。そのため、各種糸リフトはオリジナルのコグ(トゲ)や、メッシュ加工を施しています。これにより皮膚の引っかかりを作り、リフト力を保持することができます。

糸リフトが完全に溶けるまでの期間が24〜36ヶ月間と長期間なので、物理的に組織が引き上げられる期間が他の素材と比較して長いです。そのため、肌自体の再生能が低い方でもしっかりと引き上げ力を実感することができます。

当院で採用しているPCL糸リフトは、VOVリフトです。

PLLAとはPoly-L-lactic acidの略で、手術の糸として使用されています。

PLLAを使った糸リフトは、PCLよりも少し硬い素材でできています。そのため引き上げ力が強いのが特徴です。もちろん、糸リフト自体はしなやかな作りなのでデザイン性も優れています。しなやかさと適度な硬さを備えている糸リフトなので多くの方の肌質に合っていると言えます。

糸リフトが完全に溶けるまでの期間が18〜24ヶ月間と長期間なので、物理的に組織が引き上げられる期間がPCLと比較して長いです。そのため、肌自体の再生能が低い方でもしっかりと引き上げ力を実感することができます。

当院で採用しているPLLA糸リフトは、アルテミスリフトです。

PDOとはPolydioxanoneの略で、手術の糸として使用されています。

PDOを使った糸リフトは、PCL・PLLAよりも少し硬い素材でできています。そのため引き上げ力が強いのが特徴です。もちろん、糸自体はしなやかな作りなのでデザイン性も優れています。しかし、硬く張りのある素材なので皮膚の薄い方などは糸が飛び出てしまうリスクがあります。そのため、医師の診断と技術力がとても大切になります。

糸が完全に溶けるまでの期間が6ヶ月間と短いです。しかしながら、糸にコグ(トゲ)やバーブ(メッシュ構造)を付加することで、コラーゲンを生成する線維芽細胞を刺激し、糸が溶けた後もコラーゲンにより張りを実感できるように工夫してあります。

当院で採用しているPDOの糸リフトはアルテミスリフトとショッピングスレッドです。

VOVリフト

VOVリフトは、PCL(Polycaprolactone)という素材でできた糸リフトです。PCLは柔らかく、しなやかな素材なのでデザイン性に優れており、皮膚から飛び出にくいのが特徴です。また、吸収されるまでの期間が24〜36ヶ月と長いため、物理的に引き上げている期間が長いのも利点です。

VOVリフトは、1本の糸の周りにコグ(トゲ)がついており、これが引き上げ力を担保しています。コグの先は丸く加工されているため、皮下組織の損傷を最小限に抑え、ダウンタイムを軽減することができます。

PLLA・PDO素材の糸リフトに比較して、リフトアップ力は強くないですが、コグが付いているのでしっかり引き上げることはできます。特に、頬などボリュームロスが目立つ部位に挿入することで、皮下組織を適切な位置に移動させ、ハリ感を与えつつ、リフトアップをすることができます。

治療について

こんな方におすすめ

・皮膚の薄い方

・初めて糸リフトの治療を受ける方

治療の流れ

メイクや皮脂を拭き取ります。
デザインをします。
静脈麻酔を行う方は麻酔を行います。
糸リフト刺入部に局所麻酔をします。
麻酔が効いてきたら糸リフトを注入します。

治療時間と頻度

約1時間　2〜2年半に1度

副作用・注意事項

当日はメイクを落としていただくため、必要な方はメイク道具をお持ちください。

一時的に肌が赤くなったり・腫れたりすることがありますが、通常は数時間から数日で治ります。ごく稀に皮下出血や青あざができることがありますが、メイクでカバーでき1〜2週間で治ります。上記症状が長引く場合は、担当医にご相談ください。

針穴から糸が出てきた場合は、無理に引っ張ったりせずに当院にご連絡をください。出ている部分の糸を短く切るなど適切な処置を行います。

治療効果や副作用には個人差があります。主観的な満足を得られないことや、客観的な治療効果を得られない場合があります。ご理解の上、治療をお受けください。

治療が受けられない方

・妊娠中の方

・皮膚炎・感染症がある方

・心疾患・脳血管疾患・肝機能障害・血液疾患のある方

症例写真

症例：20歳代女性

両頬の膨らみ・たるみをお悩みに来院されました。皮膚の厚みもあるのでテスリフトでも治療可能と判断しましたが、初めての糸リフト治療であったためVOVリフトで対応しました。左右差があり、右頬の方が膨らみが強かったため右に4本、左に2本挿入することで左右差を抑えつつ、小顔に仕上げました。

施術内容：VOVリフト6本

副作用(リスク)：痛み・腫脹・発赤・浮腫・左右差・糸が飛び出る・治療部位の感覚鈍麻・痺れ・色素沈着・肥厚性瘢痕・ケロイド・凹凸などが生じる可能性があります。

価格：49,000円×6本=294,000円(税込)

症例：40歳代女性

フェイスラインの乱れをお悩みに来院されました。1週間後にご友人との会食がありそれまでに綺麗になりたいとのことで、今回はVOVリフトを選択しました。両頬からこめかみにかけて引っ張り上げることでフェイスラインの乱れを解消しました。

施術内容：VOVリフト6本

価格：49,000円×6本=294,000円(税込)

料金

合計～4本 1 本　55,000円(税込)

合計5～8本 1 本　49,000円(税込)

合計9本〜 1 本　46,000円(税込)

局所麻酔・術後内服代金は手術料金に含まれています。また笑気麻酔・静脈麻酔・術後の鎮痛薬(エクスパレル)をご希望の方は別途5,500円(税込)〜154,000円(税込)が必要です。

アルテミスリフト

アルテミスリフトは、PLLA(Poly-L-lactic acid)とPDO(Polydioxanone)という素材でできた糸リフトです。当院で採用しているアルテミスリフトは、PDO Mold Cog 3D MeshとPLLA Mold Cogです。

PDOを使った糸リフトは、頬・ほうれい線のたるみ改善に使用します。PDOは硬い素材なので、たるんだ皮膚をしっかりと引き上げることができます。

PLLAを使った糸リフトは、顎下のたるみ改善に使用します。PLLAはPDOと比較して、溶けるまでの期間が18〜24ヶ月と長いため物理的に引き上げている期間が長いのも利点です。

アルテミスリフトのコグは五角形型に加工されており、力が分散されるため破損しにくいのが特徴です。また、アルテミスリフトのメッシュ構造はメッシュ同士の間隔を狭くしたため皮下組織と癒着しやすくなりました。そのためPDOなど吸収までの期間が短い糸リフトでも、長期的なリフトアップ効果が従来よりも期待できます。