
二重まぶた埋没法について
当院で採用している二重まぶた埋没法は、2点留め・3点留め・特殊6点留めの3種類です。
患者さんの目元や、希望に合わせて術式を選択いたします。
一重瞼と二重瞼の違いについて

まずは目を開ける時に作用する筋肉などの仕組みについて説明します。目を開ける時に作用する筋肉は、①眼瞼挙筋という筋肉です。眼瞼挙筋が収縮することで、眼瞼挙筋とくっついている②挙筋腱膜、挙筋腱膜とくっついている③瞼板が引き上がります。
二重まぶたの方は、この瞼板と皮膚に④穿通枝という繊維が発達しており、皮膚を引き上げ、折りたたむのに十分な力があります。
一方で一重まぶたの方は、この穿通枝がなかったり、あっても皮膚を引き上げるのに十分な強度を持っていないために、皮膚を折り畳めずにいる状態です。
もちろん、一重まぶたであること自体には、病的な意義はありません。また、一重まぶた方の中には眼瞼下垂の症状を呈している方もいるので医師の適切な診断が重要になります。
埋没法の違いについて
埋没法は、糸玉を止める位置を瞼板にする瞼板法と眼瞼挙筋にする挙筋法があります。また、糸玉の留め方については1本の糸をループ状にするループ法(線留め)と、1点ずつ留める点留めがあります。さらに、糸玉の位置を皮膚側にする表留めと、結膜側にする裏留めがあります。
瞼板法と挙筋法の違い

二重埋没法には瞼板法と挙筋法という手技があります。どちらも目を開けた時に眼瞼挙筋が、瞼板を引き上げやすいように糸をかける方法です。
瞼板法は、瞼板に糸をかけるのですが、眼瞼挙筋に比較して硬い組織なので安定してまぶたを上げることができます。しかし、目を開閉する時に違和感を感じやすいです。また、瞼板はまぶたの下の方にあるので、二重幅を広くしたい方には向いていません。
挙筋法は、糸をかける位置が二重幅の位置になります。眼瞼挙筋はまぶたの上の方にあるので、二重幅を広くしたい場合でも対応が可能です。しかし、眼瞼挙筋自体の引き上げる力が弱い場合には効果が現れにくいです。
どちらの手技も適切な適応の判断が重要です。
ループ法(線留め)と点留めの違い

1本の糸で連続して埋没法を行うループ法(線留め)と、1回ごとに糸を切って埋没法を行う点留めについて違いを説明します。
ループ法は、1本の糸で縫合していくので糸玉が1つです。そのため、術後の目元のごろつきが起こりにくいとされています。また、1本の糸で複数箇所に縫いつけるので、力のかかる場所が分散し、糸が取れにくかったり、二重まぶたを描くときのラインが自然な形になりやすく、三角形の釣り上がった二重まぶたのラインになりにくいです。
点留めは二重幅を作りたいところに輪っかを作るように縫う方法です。留める数に応じて糸玉は増えるので、術後の目元のごろつきは生じやすいです。
当院では術後の糸の取れにくさ、腫れにくさなどを考慮し、ループ法をおすすめしています。
表留めと裏留めの違い

表留めと裏留めの違いについて説明します。糸玉(結び目)を皮膚側に作るのが表留め、結膜側に作るのが裏留めといいます。
表留めは糸玉がまぶたから浮き出てしまうなどのリスクはありますが、技術力の高い医師が対応すれば起きにくいとされています。また、糸を外す必要が出た場合に糸玉が皮膚側にあることで取り残しが起きにくいです。
裏留めは糸玉が目立ちにくい反面、結び目が挙筋腱膜や瞼板に近く、損傷してしまうリスクが考えられます。こちらも一般的に技術力の高い医師が対応すれば起きにくいとはされていますが、万が一のリスクを考慮するとおすすめはできません。
2点留め・3点留め

2点留め・3点留めは、1本の糸で皮膚側と結膜側に1ヶ所ずつ糸を通す埋没法です。
強度は特殊6点留めと比較すると弱くなってしまいますが、初めて埋没法を受ける方はおすすめです。
治療について
こんな方におすすめ
・初めて目元の治療をする方
・料金を抑えて治療をしたい方
治療の流れ

- 洗顔をします。
- デザインをします。
- 静脈麻酔を行う方は麻酔を行います。
- 局所麻酔をします。
- 手術を行います。
治療時間と頻度
約1時間 糸が取れなければ半永久的
副作用・注意事項
当日はメイクを落としていただくため、必要な方はメイク道具をお持ちください。
一時的に肌が赤くなったり、腫れたりすることがありますが、通常は1週間程度で治ります。上記症状が長引く場合は、担当医にご相談ください。糸を通した部分のゴロつきが気になる場合がありますが、通常は1週間程度で馴染んできます。
切開した場合は、術後傷口から出血が見られる場合があります。その時は、綺麗なティッシュやガーゼで優しく圧迫してください。皮下出血は通常は2週間程度で治ります。ごく稀に傷口から感染症を起こす場合がありますので、お渡しした内服薬はしっかり飲み切って、傷口を清潔に保つようにしてください。
傷口は、手術から2〜3ヶ月で赤みが収まり、徐々に白くなっていきます。ケロイド体質の方は稀に傷口が盛り上がってしまう場合がありますので、事前に担当医にご相談ください。
治療効果や副作用には個人差があります。主観的な満足を得られないことや、客観的な治療効果を得られない場合があります。ご理解の上、治療をお受けください。
手術を受けた1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月後に検診があります。遠方で来院が難しい方はオンライン診察も可能ですのでお気軽にご相談ください。
治療が受けられない方
・妊娠中の方
・皮膚炎・感染症がある方
症例写真

症例:20歳代女性
眠そうな目つきであることをお悩みに来院しました。元々二重まぶたですが、二重幅を無理ない範囲で広げました。デザインは平行二重をご希望でしたので平行二重になるように行い、ぱっちりとした目元になりました。
治療内容:埋没3点留め 両側
副作用(リスク):痛み・腫脹・発赤・浮腫・左右差・皮下出血・つっぱり感・糸が飛び出る・などが生じる可能性があります。
価格:165,000円(税込)
料金
2点留め 片側 66,000円(税込)
2点留め 両側 110,000円(税込)
3点留め 片側 99,000円(税込)
3点留め 両側 165,000円(税込)
局所麻酔・術後内服代金は手術料金に含まれています。また笑気麻酔・静脈麻酔・術後の鎮痛薬(エクスパレル)をご希望の方は別途5,500円(税込)〜159,500円(税込)が必要です。